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サークルズ協同組合

技能実習生が試験に不合格だと帰国?知っておきたい区分移行の対策法




技能実習生を受け入れている企業にとって注目すべきことに、技能実習生の区分移行があります。区分移行は試験での合格が必須で、試験に不合格だと区分移行ができずに帰国となってしまうのです。


本記事では、万が一技能実習生が試験に不合格となった場合や不合格の理由、試験対策など、スムーズな区分移行に向けた対策などを解説します。




技能実習生が試験に不合格だと強制帰国?


技能実習生は、区分移行の際に試験の合格が必須ですが、不合格となった瞬間に強制帰国をするの?と思っている方もいると思います。


実は、不合格=即帰国というわけではありません。ここでは、実際に行う試験の内容や不合格時の対応などを解説します。


合格しないと在留資格が失効する


技能実習生は、区分移行の際に技能実習評価試験を受け、合格しないと在留資格が失効します。


技能実習制度は開発途上国に日本の技術を移転させるためにあるので、その技術が備わっているかを見るために試験が存在します。


技能実習評価試験は学科試験・実技試験の2つがあり、いずれも合格しなければなりません。


合格しなければ、在留資格の更新ができずに失効し、期限満了で帰国となります。そのため、入国して速やかに受検申請の書類を出すなど、迅速な対応が欠かせません。


なお、受検申請の書類にはパスポートや在留カードの写しなどが必要になるため、忘れないようにしましょう。


学科試験の内容


技能実習評価試験における学科試験は、職種に関する専門知識などを問う内容となっています。


出題形式は○×問題や四択・五択などから正解を1つ選ぶ問題など「真偽法」が中心です。各業種に存在する協会などが検定の作成などを手掛けています。


一方で、学科試験はすべて日本語で実施されることから、日本語能力も問われるのがポイントです。


令和4年に技能実習第1号を対象にした学科試験の合格者は全体の98.6%と非常に高い合格率を記録しています。




実技試験の内容


実技試験では、試験範囲の中から選ばれた課題をクリアできるかをチェックします。


一定の点数をクリアすれば合格である一方、0点となった課題が1つでもあると不合格になるのが特徴的です。


実習生に業務に関する理解があった上で、行動が伴っているかが判断されます。


令和4年に技能実習第1号を対象にした実技試験の合格者は全体の98.9%と、学科同様、非常に高い合格率です。



ただし、実技試験に関しては第2号・第3号と段階を経ていく中で難易度が高まり、合格率が一気に落ちる傾向にあります。


実技試験の内容


実技試験では、試験範囲の中から選ばれた課題をクリアできるかをチェックします。


一定の点数をクリアすれば合格である一方、0点となった課題が1つでもあると不合格になるのが特徴的です。


実習生に業務に関する理解があった上で、行動が伴っているかが判断されます。


令和4年に技能実習第1号を対象にした実技試験の合格者は全体の98.9%と、学科同様、非常に高い合格率です。



ただし、実技試験に関しては第2号・第3号と段階を経ていく中で難易度が高まり、合格率が一気に落ちる傾向にあります。


再受験は1回まで可能


技能実習評価試験で仮に不合格となった場合、再受験が1回まで可能です。


そもそも初回の試験はかなり高い合格率が記録されており、真剣に業務に挑んでいれば初回でクリアできるレベルとなっています。


仮にさまざまな要因があって1度は不合格になっても、対策を立て直して挑むことができます。


再受験でも不合格の場合は、何らかのスキルが欠けていたといえるでしょう。


技能実習生が試験に不合格になる理由とは?


高い合格率を誇る技能実習評価試験ですが、わずかながら不合格になる可能性があります。


不合格になる理由は以下のとおりです。


  • 言語の壁がある

  • 専門知識の不足がある

  • 試験準備が不十分


ここでは、実習生が試験に不合格になる理由をまとめました。


言語の壁がある


不合格になる要因で目立つのは、技能実習生の日本語能力が乏しく、言語の壁がある点です。


特に技能実習第1号の場合は来日して日が浅く、世界的に難しいとされる日本語での試験はハードルが高めです。


一方、学科試験ではできる限り簡単な日本語で使われているほか、実習実施機関である受入れ企業が日本語教育を適切に行えばクリアできる可能性が高くなります。


来日してからどれほど日本語教育が行われてきたかが重要です。


専門知識の不足がある


不合格の要因には、専門知識の不足も挙げられます。特に、より専門知識が問われる第3号の試験では合格率が極端に下がることから、専門知識の不足が大きいのは明らかです。


また、日々の業務が忙しく、専門知識を学ぶ機会が乏しいというケースも考えられます。


まずは学科試験で難なくパスできるぐらいの知識を身につけて、実技に挑めるような形が望ましいでしょう。


試験準備が不十分


学科試験などの試験準備が不十分だと、不合格になる可能性が出てきます。


学科試験には出題文のクセがあるほか、実技試験であれば苦手なジャンルの実技が出てくることもあるからです。


何度も過去問を解いて間違いやすいところをチェックするほか、実技であれば苦手なジャンルを少しでもなくすことが欠かせません。


入念な試験準備が合否のカギとなるでしょう。


技能実習生の区分とは


技能実習生には主に3段階の区分が存在します。


  • 技能実習第1号

  • 技能実習第2号

  • 技能実習第3号


ここからはそれぞれの区分について解説します。


技能実習第1号


技能実習第1号は、日本入国1年目の外国人に与えられた在留資格となります。


入国前に雇用契約を結び、最初に国民健康保険への加入を終えてから入国後講習があるため、技能実習に充てられる期間は意外と限られています。


技能実習第1号では、基礎級技能検定を受けます。在留期間は1年で、仮に不合格となれば日本滞在1年で母国へ帰国せざるを得なくなります。


区分移行に向けて、入国後講習終わりから試験までの期間でいかに実習をこなせるかが求められます。


技能実習第2号


技能実習第2号は、実習が2年目・3年目の実習生を対象にした在留資格です。


在留資格の更新は1年ずつですが、与えられた期間は2年と長くなるのが特徴です。


技能実習第2号は、随時3級技能検定を受けます。以前は技能実習第2号を修了すると、技能実習修了証書が発行されていましたが、今は技能実習修了証明書が発行されています。


技能実習2号が技能実習3号に移行するには、随時3級技能検定または相当する技能実習評価試験の実技試験に合格することが求められます。


技能実習第2号から特定技能1号への移行については、万が一技能試験で不合格となっても、「技能実習第2号を良好に修了していた」という証明があれば、特定技能1号への移行が可能です。


それでも特定技能へのスムーズな移行を考えると、技能実習第2号で行う技能試験には合格しておくのが確実です。


技能実習第3号


技能実習第3号は、実習4年目ないし5年目の技能実習生が対象の在留資格となります。


企業側が技能実習第3号の外国人を受け入れるには、監理団体や実習実施者それぞれが優良認定を受けなければなりません。


技能実習第3号は、随時2級技能検定を受けます。


技能試験は原則必須で、技能実習第3号は随時2級技能検定を受験します。外国人技能実習生制度は第3号までのため、随時2級技能検定が合格でも不合格でも在留期間は同じです。しかし技能実習生制度の目的が「人材育成」であることを踏まえると、随時2級技能検定の合格は重要といえます。


企業側にとっては優良認定に関わる要素となり、実習生の受入枠拡大にもつながります。そのため、随時2級技能検定の合格は受入れ企業にとっても重要です。


技能実習生の試験対策とは


技能実習生が試験で合格するためには、以下の対策が必要です。


  • 技能試験までの計画をたてる

  • 指導方法を統一する

  • 試験準備の時間をしっかり確保する


技能試験までの計画をたてる


技能試験はおおむね試験の時期が決まっており、受検の計画を立てやすいのが特徴です。


技能実習第1号であれば、実習修了の6ヵ月前までに申し込みを行い、2~3ヵ月前までに受験することが推奨されているので、逆算して計画を立てるのが理想的です。


逆算して計画を立てて、1つ1つこなしていけば、試験実施のタイミングで習熟度を一定レベルまで高められます。


あとは微調整を重ねつつ、計画の遂行を管理していけば問題ありません。


指導方法を統一する


技能実習生に対して、指導方法を統一することが重要です。


特に来日して間もない外国人は日本語能力も乏しく、技術もありません。わかりやすい指導方法で統一した教育を行うことが求められます。


その上で、よりわかりやすく理解されやすい指導方法を確立していくと、実習生ごとにムラが生じる事態を避けられるでしょう。


試験準備の時間をしっかり確保する


試験合格に向けて、試験準備の時間を確保することが必要です。


技能検定で合格するには、試験対策が欠かせません。試験準備の時間は業務外に設けるのが一般的ですが、みっちりと勉強させるよりも、やる気を保つ仕掛けを入れるのがポイントです。


友好関係を築いていく形で試験準備に時間を費やせるやり方が理想的といえます。


技能実習生の帰国を避けるためのコツ


慢性的な人手不足もあって実習生を受け入れている企業は、技能実習生の帰国は死活問題です。


ここでは、技能実習生の帰国を避けるためのコツを紹介します。


3号への移行は特別な資格が必要


技能実習生が3号に移行するためには、特別な資格が必要です。技能実習第3号への移行の際、企業側・監理団体それぞれが優良認定を受ける必要があるためです。


事前に優良認定を受けていないと、実習生が技能実習第2号を満了した時点で技能実習生は帰国せざるを得なくなります。


優良認定を受けるには、実技試験や学科試験の合格率を高めること、実習生への待遇改善などが欠かせません。


試験の合格率は監理団体の支援で変わる


技能実習生の試験合格率は、監理団体の支援で影響します。実習生にきめ細やかな指導を行う監理団体であれば、実習生が信頼しやすく、モチベーションの維持にもつながりやすいからです。


監理団体は定期的に企業を訪問する決まりとなっています。できる限り多めに訪問を重ねることで、実習生の状況を観察でき、足りないものを補っていく形がとれるようになります。


技能実習生に関するよくある質問


最後に、技能実習生に関するよくある質問として、技能実習生の帰国費用の負担について解説します。


技能実習生の帰国費用は誰が負担するの?


技能実習生が現地へ帰国する際の費用は、監理団体が負担します。これは技能実習制度で決まっていることなので、実習生が出す必要はありません。


一方で、監理団体が企業側と契約する中で、帰国費用を支払ってもらう手続きは行えます。そのため、技能実習生が帰国するケースでは企業側が旅費を負担しているケースが一般的です。


技能実習生の失踪の優良要件は?


技能実習生の失踪に関して、過去3年間でゼロなら優良要件に5点が加算されます。


しかし、失踪者が多く出たり、企業側に責任のある失踪だとマイナスが大きくなるので注意が必要です。


特に企業側に責任のある失踪はマイナス50点と大きく、150点満点中90点を取らないと優良認定がされない中だと致命的なマイナスといえます。


失踪者をゼロにすることは優良認定を受ける上で重要です。


まとめ


技能実習生が試験に合格することは、今後の経営などを考えると確実に目指しておくべきことです。


試験に集中してもらうため、生活環境を整えて勉強に集中してもらうほか、適宜面接を行って状態を確かめることも必要です。


職員と一緒に基礎的な内容からスキルを磨いてもらうことが求められます。


サークルズ協同組合は、2000年に設立された監理団体です。長年の経験を活かして、受入企業様にも実習生にも安心のサポート体制を提供します。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください




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